地震のメカニズム >> 敵を知り、己を知れば・・・・
地震と津波はどうやって起こるのか?
プレート型と活断層型の2種類の名称を耳にするけどどっちがどうなの?
地震が起こっても、必ずしも津波の警報がでないのはなぜかしら?
地震や津波には様々な疑問があります。
地震はナマズが暴れて起きる、と信じていても正しい対処ができれば、結果オーライですが、迷信に基づく対処行動は、役に立たないどころか、身の危険を増大することもあるんです。
やっぱり、メカニズムを知って、納得してから、どうやって危険回避をしたらいいのかを学びましょう。
活断層??
定義によれば
「新生代第4世紀に繰り返し活動し、今後の活動する可能性があるとみなされる断層」
と、難しくなってしまいます。
時間的なスケールを明確にすると(新生代第4世紀って何時のこと?ですよね)、ここ最近の100万年の間に、動いた形跡のある断層のことなのです。
100万年は人間的にはスケールの長すぎるスパンですが、地球にとっては最近なんですよね。
活断層という名前と異なり、普段はまったく静かなんですが、,500〜3000年に1回くらいの割合で動くという調査結果があるようです。
1000年のオーダーで揺れる程度なら、住んでる人は安心してますよね。
阪神淡路の地震も、地震や火山の列島日本にいながら、神戸の人たちは地震のない安全な地域だって信じてたほどですから。
各地の要注意活断層
朝日新聞ディジタル「ニュース特集>足元の活断層災害大国:警戒外の活断層、M6超14回 阪神大震災後17年間(2012/9/1)」より
http://www.asahi.com/special/saigai_danso/
プレート??
地球の構造から話がはじまるのです。
政府地震調査研究推進本部「地震本部」素材集より
地球の中心の部分は核があります。
核は内核と外核からできていて、内核は個体の鉄の合金で、外核は液体の鉄の合金でできています。温度は6000℃で太陽表面と同じくらいの温度です。
地球が形成されてから45億年も経つのになぜこんなにも高温を保っているのか。それは放射性元素の崩壊により放出される膨大な熱量によるものなのです。
核の外側はマントルという岩石で覆われています。このマントルは岩石ではありますが、1500℃の高温で、長い時間でみれば、熱対流により流動しているのです。
岩石がビーカーの中のお湯のような対流を起こしているというのです。
政府地震調査研究推進本部「地震本部」素材集より
高温のマントルが海嶺(海底の山脈など)で地球の表面にわき出し、厚さ数10km〜100kmの板状(プレート)となります。
1年間に数cmの速さで両側に広がっていきます。これが海底を形づくっている「海のプレート」です。
陸地を形づくっている陸のプレートと衝突すると海のプレートの方が密度が大きいため、陸のプレートの下に沈み込んでいきます。この沈み込むところが海溝になります。
地球の表面は、いくつかのプレートでおおわれており、それぞれのプレートの境目が、海嶺や海溝などに相当します。
政府地震調査研究推進本部「地震本部」素材集より
政府地震調査研究推進本部「地震本部」素材集より
日本付近では、海溝から陸地まで地震がたくさん起こっています。
震源地の様子を観察すると、全体で一様に起こっているのではなく、2つの種類に分けられることがわかります。
1つは、海溝軸から内陸にかけて広く分布する浅い地震(陸域の浅い地震)。
もう1つは海溝の軸から遠ざかるにつれて地震の起こる深さが次第に深くなるものです。
この海溝の部分の地震は、プレートの沈み込みに伴って起きていることで説明されます。
政府地震調査研究推進本部「地震本部」素材集より
このプレートの運動と地震の関係を模式的にあらわしたのが上の図です。
図中、陸域の浅い地震は、活断層と呼ばれるプレート内部の傷で、活断層は日本中いたるところに存在します。
平成7年1月の兵庫県南部地震は、このタイプの地震が都市の直下で発生し、甚大な被害を発生させたものです。
朝日新聞ディジタル「ニュース特集>足元の活断層災害大国:警戒外の活断層、M6超14回 阪神大震災後17年間(2012/9/1)」より
http://www.asahi.com/special/saigai_danso/
東北地方太平洋沖地震!!
3月11日14時46分頃に三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震が発生しました。
この地震により宮城県栗原市で震度7、宮城県、福島県、茨城県、栃木県で震度6強など広い範囲で強い揺れを観測しました。
また、太平洋沿岸を中心に高い津波を観測し、特に東北地方から関東地方の太平洋沿岸では大きな被害がありました。
気象庁はこの地震を「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」と命名しました。
(東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所事故による災害については、「東日本大震災」と呼称することとなりました。)
平成23年3月11日 地震調査研究推進本部 地震調査委員会
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の評価のうちの「余震の発生状況」による
https://www.jishin.go.jp/main/chousa/11mar_sanriku-oki/p01.htm
今回の地震の震源域は、岩手県沖から茨城県沖までの広範囲にわたっていると考えられます。
地震調査委員会では、宮城県沖・その東の三陸沖南部海溝寄りから南の茨城県沖まで個別の領域については地震動や津波について評価していましたが、これらすべての領域が連動して発生する地震については想定外であったそうです。
津波!!
地震発生のメカニズムは分かりましたが、そこからどうやって津波が発生するのでしょうか?
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津波のメカニズム(内閣府・防災教育DVD「自分の命は自分で守る」より)
東北地方太平洋沖地震の津波をシミュレーションで再現しています。
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東北地方太平洋沖地震によって発生した巨大津波
警報システムが確立していた宮城・岩手の沿岸部も、予想をはるかに超えた巨大津波により、多くの犠牲者がでました。
自然を相手にするとは、なんと大変なことなのでしょう。
巨大な破壊力から防御するシステムをつくる一方で、被害を小さくする備えも必要なのかもしれません。
それは、人知を超えた自然を相手にするときに常に必要な態度なのかもしれません。